ギャラント様式
 18世紀、バロック時代の荘重で力強く、精緻な様式に取って代わってロココ時代の軽快で優雅な様式を言う。この新しい様式の発生は、文化の中心が教会からサロンに移り、対位法的な手法から和声的手法へ、建築的で壮大な構造から、陽気な軽妙さへ、教会のカンタータやミサやオルガンから世俗的な愛らしい歌やチェンバロへの移行を示している。この移行は、すでに18世紀初頭のフランソア・クープランやそれを受け継いだJ.K.F.フィッシャー、ムッファットらのチェンバロ作品に認めることが出来る。この様式を典型的に示しているのは、18世紀中期のフランス・クラヴシニストたちの作品であるが、バッハのチェンバロのための組曲類には、この様式の影響が現れ、ドイツでも、テレマン、マッテゾンなどに受け継がれている。