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ミサ/レクイエムの式次第
 あわれみの賛歌(Kyrie)


A-1-b. あわれみの賛歌 (Kyrie) (通)(歌)
      [ミサ曲:第1曲][レクイエム:第1曲後半]


 司祭が告白の祈りを唱えて罪の許しを神に祈ったあと、会衆はキリエを唱えます。
 この部分だけはギリシャ語です。これはギリシャ語がローマにおいてもキリスト教徒の共通語として通用していた古い時代にまでさかのぼる伝統です。
 初期には、ミサのはじめに助祭(司教、司祭につぐ第三位の聖職)が数々の祈りの項目を読み上げ、会衆一同が声を揃えて「Kyrie eleison(キリエ・エレイソン)」と答えるという習慣がありました。グレゴリウス教皇はラテン語典礼の制定に当たり、この「大連祷 ( Litania )」を廃止し、会衆の応答の句だけを残しました。さらに三位一体の神をたたえるため、中間に「Christe eleison(クリステ・エレイソン)」をはさむ三部構成としたものです。
 「あわれみの賛歌」とは、この新しい日本語名称が示しているとおり、あわれみ豊かな神に対する賛美の歌であり、宗教改革時代に考えられたように「罪人が哀れみをこう歌」ではありません。


「ミサ曲第1曲:Kyrie」「レクイエム第1曲後半:Kyrie」
主よ、あわれみ給え。  (3回繰り返し)

キリストよ、あわれみ給え(3回繰り返し)

主よ、あわれみ給え。  (3回繰り返し)

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