--- F1 Japanese GP SUZUKA 1988 ---
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ウォームアップ1番手もセナ
(3日め、ウォームアップ)
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ウォームアップは、決勝日の8時半から30分の走行で、最終レースセットアップの確認を各チームが行う。一般的には満タンで決勝の状態を占う、と言われているが、いきなり良いタイムをマークしてライバルに精神的プレッシャーをかけたり、ここにも駆け引きがある。他のフリー走行とは違ってチームドライバーのそれぞれの事情で頻繁にピットへ出入りしたり、周回を黙々と繰り返したり、様々である。そういったことを現場で見るのも、レース観戦の楽しみである。
セナは、ここでもトップタイムを上げたが、はたしてナーバスになっていた気持ちにゆとりができただろうか?

フォーメーションラップを終え
緊張のスタートへ

(3日め、決勝)
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決勝を控え、この3日間で一番寒い日になった。
(10年間で一番寒かったのが88年)

曇り空で風がある。雨は大丈夫だろうか。フォーメーションラップの最中に一旦スピードを落として、スタートの練習をしているドライバーも何人かいた。

いよいよ、スタートだ。

セナ、スタート失敗
序盤はプロストがトップ

(3日め、決勝)
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スタートで、セナは痛恨のエンスト。
下り坂のホームストレートで再度エンジンがかかったが十数位まで落ちた。1周後に8位まで挽回したものの、プロストは順調にトップを走っており、今日はチャンピオンは決まらないと誰もが思い始めた。
中嶋も同様にスタートでエンストし、再度生き返ったが、ほとんど最後位まで落ちてしまった。予選3列めの好位置で表彰台も狙えただけに、残念。

カペリ
NAマシン5年振りのトップ

(3日め、決勝)
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レイトンハウスのカペリは、ヨーロッパラウンド後半の好調をここ鈴鹿でもキープ。予選4位の走りはフロックではなかった。15周めのシケインから抜けたところで、プロストのわずかな加速の鈍さをついて、並走。ゴールラインで頭一つ先に出て、83年のデトロイトGP優勝のアルボレート(ティレル)以来のNAマシンのトップを記録した。
しかし、すぐに加速したプロストに、第1コーナーで抜き返された。その3周後カペリのエンジンはホームストレートでストップ、健闘は報われなかった。

セナが、もうプロストの背後に
(3日め、決勝)
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スタート失敗で大きく出遅れていたセナは鬼人の立ち働きで先行各車をパスし、20周めには2位に上がっており、ほどなくプロストの背後に姿を現わした。このような目覚ましい走りは、早くも開幕戦のブラジルから見られた(このときは、ルール違反で失格になり、ファンにとって残念な結末であったが)。

左の写真の後、セナは、周回遅れにつまったプロストを抜き去る。

セナ、涙の初チャンピオン獲得
(3日め、決勝)
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プロストの追撃も、周回遅れのマシンと、その後の小雨が断念させ、セナは独走の形で終盤を迎えた。そして、両腕を上げてゴールイン、念願のチャンピオンを獲得した。涙のウィニングランに、観衆は拍手と歓声で応えた。

マンセル、ピケに追突
(3日め、決勝)
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1周めのシケインで、ウォーウィックに追突し、25位まで順位を落としていたマンセルは、その後、かっとびの走りで集団を追いかけ、23周めには、12位まで挽回していた。しかし、前のチームメイト、ピケにシケインで乗り上げリタイアに終わった。前年のチャンピオン争いの確執が思い起こされた。

しかし、それよりもっと強烈な葛藤と コース上での激突が、今季喜びにひた るマクラーレンに翌年訪れようとは、日本の観客の誰もが予想できなかった。

亜久里
数回のスピンに耐え完走

(3日め、決勝)
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全日本F3000チャンピオン鈴木亜久里は、テレビ解説に出演する予定だったが、急遽、ダルマスの代役としてラルースから出場。初めてのF1カーに、何回かスピンを繰り返したものの立派に完走。僚友アリオーの上の16位。
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