第2部 Symbolum Nicenum | |
2-8. Confiteor | |
【編成】 | 5部合唱、通奏低音 (筆者注:本来無伴奏合唱ではないかとの考え方もある) |
【調性、拍子】 | 嬰へ短調、2/2 |
【作曲経緯】 | 自筆総譜の筆跡等からオリジナルと判断されている。旋律そのものは、グレゴリオ聖歌第2番のミサの〈Confiteor〉の旋律(ミ(Con)−ファ(fi)−ソ(te)−ソ(or)−ソ(u)−ソ(num)−ソ(ba)−ソ(pti)−ミ(sma))によっている。 |
【評価等】 | 様式的な点から言うと、ア・カペラ様式、古様式、定旋律様式と挙げることができる。要するに200年ほど前の教会音楽の様式をすべて整えているといっても良い曲である。 洗礼への信仰告白。〈Credo〉冒頭の合唱曲に対応する古様式の合唱フーガで、典礼旋律が再度引用される。通奏低音のみを伴奏にした5声の声楽ポリフォニーで、罪の赦しのための洗礼について歌った後、121小節以降の死者の蘇りを期待するところではアダージョにテンポを落としながら神秘的に祈念し、そのまま次の曲に入る。なかほど(72小節〜)で、はじめの旋律がバス、次は2倍に引き伸ばされたテノールに、聖歌「コンフィテオル」の旋律が定旋律として登場する。 |