コンチェルト様式 |
17世紀のイタリア音楽は、ヴェネツィア楽派の分割合唱様式に代表される対比の原理をその大きな原理とする。総奏と独奏(群)との対比は器楽の協奏曲を生み、通奏低音とその上に繰り広げられる各声部の対比が教会コンチェルトを生み、それがドイツに移入されてシュッツ、シャインからバッハにつながる教会カンタータの母体の一つとなった。 イタリア語のconcertoは、今我々が聞く独奏楽器とオーケストラという協奏形式よりもはるかに広い、漠然として意味をもっており、合奏曲、合唱、独唱でその伴奏がやや独立性を持っている曲、二つ以上の合唱団、合奏団の組み合わせで演奏する曲などがコンチェルトと呼ばれており、18世紀前半までこの意味で用いられた。 |