通奏低音について |
個別の曲の解説において【編成】のところで必ず「通奏低音」というのがでてくるので、これについて簡単に紹介する。 呼んで字の如く「通して演奏する低音楽器」であり、イタリア語では“basso continuo”という。 どのような楽器かというとこれといった共通の定義は無い。それだけに議論のまとともなる。弦楽器ではチェロとコントラバス、管楽器が入るとすればファゴット、鍵盤楽器がよく議論になり、オルガンかチェンバロかということになる。演奏によっては両方が入っているケースもある。 この通奏低音はバロック音楽の特徴であり、単純な分類をするなら通奏低音が入っている音楽をバロック音楽と定義してもあまり大きなはずれは無い。ただし、宗教音楽については古典派でも通奏低音が入っている。 また、「通奏低音」の楽譜の大きな特徴は鍵盤楽器のように和音を演奏できる楽器でも単音で書かれている事である。ただ、その単音の上に数字がかかれており、それで和音が示されている。例えば、長調の主音の上に3,5と書かれていればド−ミ−ソの和音を示すと言う具合である。 練習用の楽譜のようにピアノ伴奏に直してある場合、左手の一番下の音が通奏低音の音と思って9割方は間違いが無い。合唱のバスのパートとも重なることが多いので、バスは、ピアノの左手か、オケが入った場合はチェロ辺りの音をしっかり聞いていれば音取りでは大いに助けられる。 |