人が快適に過ごすため、現在は部屋全体の空気を冷やしたり暖めたりしているのが通常である。しかし、人の外部との熱交換は、
1)皮膚の温度と空気の温度差による対流の効果
2)発汗による蒸発熱による冷却効果
3)皮膚からの赤外線による熱放射あるいは外部よりの
熱放射による皮膚の加熱
4)皮膚の接触している相手との温度差による熱伝導
の4つの効果によっている。現在の冷暖房は、1)の方式が主流であり、場合によりドライ運転による爽快さとしての2)、あるいは赤外線ストーブによる3)という方式になっている。4)については、西南アジアのハーレムでの肉布団(女奴隷と肌を合わせることにより、ひんやりした快感を得る)くらいであろうか。
しかし、今後、有望と思われるのは、3)の方式ではないだろうか? 例えば、部屋の空気そのものを冷やしたり暖めたりするのでなく、部屋の壁、床、天井の温度を制御することにより、人体との間の熱放射による熱交換を行う。即ち暑いときは、周囲の壁面を冷やしてやり、人体から出る熱放射を、どんどん吸収していやり、寒いときは、逆に壁面を暖めることにより、空気そのものは冷たくても太陽から来る赤外線のような暖かさを体感させる。この方式は部屋に広さ、寒暖の程度にもよるだろうが、部屋の空気全体を冷やしたり暖めたりするより、エネルギー消費量は少ない場合がありそうである。
(1997年1月26日初版)