書名 | 著者名 | 内容 | ページ数 |
「一外交官の見た明治維新」 (上)(下) |
アーネスト・サトウ 坂田 精一訳 |
イギリスの在日公使館付きの通訳として、1862年 から1869年まで日本に滞在していた青年外交官、 アーネスト・サトウの回想記。生麦事件、薩英戦争、 長州の四国連合艦隊との戦い、王政復古、鳥羽伏見の 戦い、等々の歴史的事実を直に体験した記述、あるい は、幕末の頃の旅篭や食事などの風俗、武士の気質の 記録等々、いろいろと興味深く読める。既に、立憲君 主制が長年続いてきたイギリス人の視点は、西洋文明 の恩恵に浴している現代の我々がタイムトリップして 江戸時代を訪れたような、面白さがある。幕府の役人 の外交交渉能力の無さを指摘する記述や、西郷隆盛が 優れた人物であると見抜いている点なども、サトウ自 身第一級の見識を持った人物であることを証明してい る。 なお、本書は終戦前 禁書の扱いであったという。外 国人の目による明治維新の自由闊達な記述を、一般の 目に触れさせることは、明治維新の偉業を元にした国 民精神の基盤をゆるがす、という為政者の懸念による らしい。 |
(上)290 (下)294 |
出版社名 | 補足 | 発行日 | 価格 |
岩波書店 | (上)青425-1 (下)青425-2 |
(上)1990.5.25 第40刷 (下)1989.5.16 第39刷 |
各460円 (第40/39刷時) |