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ミサ/レクイエムの式次第
 感謝の賛歌 (Sanctus)


B-2-b. 感謝の賛歌 (Sanctus) (固)(歌)
    「ミサ曲第4曲:Sanctus」「レクイエム第10曲:Sanctus」
    「ミサ曲第5曲:Benedictus」「レクイエム第11曲:Benedictus」


 上記のような力強い賛美への呼びかけに答え、天上の聖歌隊と声を合わせて歌い上げるのが「感謝の賛歌(Sanctus)」です。テクストの前半は、預言者イザヤがみた幻の中で天使たちが歌い交わしていた賛歌(イザヤ6:3)に基づいており、天地の創造者、支配者であって人類を造り、まもり、はぐくんで下さる神に感謝し、その威光を讃えて歌います。ミサを「拝聴」しているだけの一般信徒も、この賛美の大合唱にここ吐露の中で参加することが出来るよう注意を喚起するためのベルがここで鳴らされます。(「サンクトゥス・ベル」)
 テクストの後半「オザンナ」とはヘブライ語の「ホシア・ナー(救い給え)」をラテン語化したもので、王に対する歓呼の言葉です。イエスがエルサレムに入場されたとき、熱狂した群衆が彼を迎えて口々に叫びました。(ヨハネ12:13他)
 次の「ベネディクトゥス(Benedictus)」前半のテクストも同じ箇所に出てきますが、もともとは詩篇118:26の句です。「主の御名によってくる人」とは詩篇では、感謝の供え物をもってエルサレムの神殿に上がってきた人のことですが、群衆の歓呼では救いをもたらすために来られたイエス=キリストを意味すると共に、ここでは生け贄のパンとぶどう酒をキリストの体と血に変えるために、来られる聖霊をも意味しています。

「ミサ曲第4曲:Sanctus」「レクイエム第10曲:Sanctus」

  聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の神なる主。
  主の栄光は天地に満つ。天のいと高きところにホザンナ。


「ミサ曲第5曲:Benedictus」「レクイエム第11曲:Benedictus」

  ほむべきかな、主の御名によりて来る者。天のいと高きところにホザンナ。

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