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おわりに  参考資料


おわりに
 今回の演奏曲目はいずれも、数多いフォーレ作品の中でも名曲ではあるが、限られた領域に位置する。従ってここでの内容は、通常とは異なり、演奏を補完するものとして企画した。フォーレの作品全体に見られるのは、個人的要素から徐々に脱し、普遍的立場、全人類的立場へ発展昇華した過程であり、初期から、中期、後期へと示された到達レベルの驚くべき飛躍は、晩年の難聴というハンディキャップを越えての傑作群の輩出という点も含め、ある意味ではベートーベンに近かったと言える。そして確かに、フォーレの後の作品、例えばあのニ短調のピアノ五重奏曲には、(最終楽章の主題には、あの第9のメロディーが「鏡像」でこだまし、)彼の「ラ・マルセイエーズ」が高らかに響いている。優れたフランス昔楽に共通して感得される堅い芯なるもの、井上頼豊氏の言うロマン派から近代にかけてのフランス音楽の精神的指導原理は、まさにここに開花したのである。


【参考資料】
[1] ジャン=ミシエル・ネクトー:「カブリエル・フォーレ」(大谷干正訳,新評論,1990)
[2] 同:「サン=サーンスとフォーレ」往復書簡集1862-1920(同、1993)
[3] 日本フォーレ協会編:「フォ‐レ頌」(音楽之友社、1995)
[4] 河本喜介:「フォーレとその歌曲」(音楽之友社、1990)
[5] R.Fiske et.al.:G.Faure Requiem(E.Eulenburg Ltd.スコア解説、1978)
[6] 皆川達夫:「フォーレのレクイエム」(全音出版社、楽譜解説)
[7] H.Halbrich:「フォーレの人間像と生涯」(浅沼圭司訳、ERAT0レコード解説、1972)
[8] 演田滋郎ほか:「フォーレの生涯とその昔楽の魅力」(レコード芸術、95.10)
[9] 遠山菜穂美ほか:「フォーレレクイエム 0p.48一作品について」(音楽現代、95.9)
[10] M.メイルランク:「ペレアスとメリザンド」(杉本秀太郎訳、岩波文庫)
[11] V.ジャンケレビッチ:「LEN0CTURNE」(千葉文夫ほか訳,シンフォニア、1986)
[12] 井上頼豊:「あなたの音楽手帳」(新日本新書,1967)
[13] 若井有子:「フォーレレクイエム作品48より」(1996.7.25 堀川高校演奏会プログラム)
 
[ 文:Ensemble Voce(事務局)石動正和 ]

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