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CDで聴くロ短調ミサ曲


 レコード店の店頭に並んでいるロ短調ミサ曲のCDは大きな店なら優に10種類以上に及んでいるでしょう。さらにカタログに載っているものや過去に廃盤となったものまであげると数十種類に昇るかもしれません。
 今回はこのように数多くあるCDの中から筆者が購入したものに限りますが、その特徴を紹介してみたいと思います。
 購入のきっかけはほとんど気まぐれで、その時の気分、値段等で決めていますのでまったく選定基準はありません。ただ、最近はオリジナル楽器を用いた比較的小さな規模のアンサンブル・合唱に偏ってきていることをお断りしておきます。
 また、安い輸入版を買うことが多いので解説はあまり親切ではなく、演奏家の紹介すらほとんど無いものもありますので、ここで書いている内容もバラバラですがご容赦ください。
 最後にここで取り上げたCDの演奏時間比較表を掲げて起きました。最長は136分、最短は102分と30分以上の開きがありました。

1.カール・リヒター指揮、ミュンヘンバッハ合唱団、ミュンヘンバッハ合奏団
 1961年に録音されたもの。今となっては40年も前の演奏であるが、今でもベスト録音の一つとして推薦する人は多い。特に我々より上の世代にとってリヒターはバッハの音楽の魅力を強烈に印象付けた演奏家で、学生時代このレコードを買うのは憧れの的であった。
 楽器はいわゆるモダン楽器を用いている。また、合唱団はカール・リヒター自身がバッハの教会音楽を演奏する為に結成した合唱団で、リヒターの考え方からいわゆる素人を集めたものである。一方ソリストはフィッシャー・ディスカウ、エルンスト・ヘフリガー等当時の代表的なメンバーが揃っている。
 今の感覚から判断するとテンポは遅めであるが、当時では新しい演奏スタイルを築くものとして衝撃的な影響を与えた。ロ短調ミサ曲に限らず、若い頃のリヒターの演奏は生と死を厳しく見つめるというようなスタイルが目立つ。
 リヒターは1969年に来日し、ロ短調ミサ曲の他受難曲等の教会音楽、オルガン、ハープシコード等精力的な演奏活動を紹介した。我々が丁度大学で歌っている頃で、FM放送や教育テレビの放送を一生懸命聴いたり、録音を採ったりしたものである。ロ短調ミサ曲のCDでは来日時の東京文化会館でのライブ録音も発売されている。年齢のせいかこちらの方はやや丸みがました演奏となっている。また、この時期のロシアでのライブも店頭に並んでいるがこちらは聞いていない。

2.オットー・クレンペラー指揮、BBC合唱団、ニュー・フィルハーモニー・オーケストラ
アグネス・ギーベル(S)、ジャネット・ベーカー(MS&A)、
ニコライ・ゲッダ(T)、ヘルマン・プライ(Br)、フランツ・クラス


 これもモダン楽器を用いた演奏。録音は1968年。非常にゆっくりしたテンポの演奏である。
 合唱団、ソリストとも当時、ベートーヴェンの第9を始め、声楽つきのオーケストラ曲やオペラで活躍していたメンバーが選ばれている。
 全く主感の問題ではあるが、最近のような古楽器系の小規模アンサンブルになれた耳で聞くとやや大時代的な印象がぬぐえない。

3.ヨシュア・リフキン指揮、8名のソリスト、バッハ・アンサンブル
 指揮者のリフキンの理論に基づく非常にユニークな演奏。要するに、リフキンの持論はバッハの時代ライプツィッヒの聖歌隊は、各パート一人ずつ、即ち、合唱ではなく、重唱で演奏されたはずだというのである。
 この持論に従って、このロ短調ミサ曲も各パート一人ずつで歌っている。‘Osanna’が二重合唱なので総計8名となっている。この考え方を支持する学者・演奏家はほとんどいないが、そうかといって決定的に否定できる根拠も見つかっていないというのが研究の現状である。(最近同じような試みをしているCDが出てきたようである。)
 いずれにしてもロ短調ミサ曲の合唱パートを一人で歌い切るというのは大変な力量ではある。なお、アルトパートには女性ではなく、カウンターテナーを起用している。
 演奏そのものは、テンポは速い方で全体に軽快な感がある。楽器は古楽器を用いている。なお、実用的な利点としては、各パート一人なので、聞いていてもそれぞれのパートの線がよく分かるので、聞きながら練習するのには便利なCDである。録音は1982年。

4.フランス・ブリュッヘン指揮、オランダ室内合唱団、18世紀オーケストラ
 指揮者のブリュッヘンは著名なリコーダー奏者であるが、指揮の面でもバッハの教会音楽、ハイドンのオラトリオ等で精力的な活動を行なっている。
 合唱はS1:4名、S2:5名、A:6名、T:5名、B:6名の計26名。
 “Gloria”の中の‘Et in terra pax’は合唱団メンバーによる4重唱、“Credo”のベースのパートソロ‘Et iterum venturus’は合唱団員によるソロ。他の独唱曲、重唱曲は専門のソリストによっている。ここでもアルトは男性カウンターテナーが歌っている。
 18世紀オーケストラも当然18世紀の頃の楽器を用いており、いわゆる古楽器系のオーケストラで、このCDでは写真で数えると32名で演奏している。
 このCDは1989年ユトレヒトで行なわれた演奏のライブ録音である。演奏は全般に早めで軽快な印象が残るものである。テンポの早いフーガ等このCDに合わせて歌おうとすると相当困難である。

5.ヘルムート・リリング指揮、シュトゥットゥガルト・ゲヒンゲン聖歌隊、
  シュトゥットゥガルト・バッハ・コレギウム合奏団

 指揮者のヘルムート・リリングも現代の代表的なバッハ演奏家で、参考文献でもご紹介したようにロ短調ミサ曲に関する解説書も書いている。
 現在も活躍中であるが、筆者の受取り方ではオリジナル楽器が一般的になる前の世代で、むしろ早世したカール・リヒターと並ぶ指揮者と思っている。
 このCDは録音が1977年で、楽器はモダン楽器で割りに色々と凝った表現をしているという感じの演奏で、テンポも遅めのものが多い。トータル演奏時間が約130分で、筆者が持っているCDの演奏では最長の部類である。合唱団の人数ははっきり書いたものがないので正確にはわからないが数十名というところか。
 ソリストは、アーリン・オージェ(S)、ユリア・ハマリ(MS&A)、アーデルベルト・クラウス(T)等、代表的なメンバーが揃っている。
 なお、リリングは現在新バッハ協会会長の要職にあり、初めてバッハの教会カンタータ全曲録音を完成させた指揮者である。また、学研肌・教育者的な色彩も強く、わが国においてもバッハアカデミーを開催するなどしてバッハの音楽の理解活動に力を注いでいる指揮者でもある。

6.フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮、コレギウム・ヴォカーレ、シャペル・ロイヤル合奏団
 ヘレヴェッヘも近年精力的に数多くのバッハ作品の録音に取り組んでいる。
 彼の録音はこのロ短調ミサ曲に限らず、独特の音の雰囲気があり、非常に柔らかいというかその中でまた透明感のある響きになっている。
 合唱団は小規模で、S1:4名、S2:4名、A:5名、T:5名、B:5名の計23名。オーケストラは古楽器で、編成は小さく全体で27名である。ソリストはソプラノとバスが2名ずつで合計6名が歌っている。
 また、このCDには付録のCDがついており、バッハに関するクイズ等があってパソコンで遊びながらバッハについての知識を深められるようになっている。

7.ニコラス・アーノンクール指揮、アーノルド・シェーンベルク合唱団、コンセントゥス・ムジクス・ウィーン
アンジェラ・マリア・ブラジ(S)、デロールス・ツィーグラー(A)、
ヤドヴィーガ・ラッペ(T)、クルト・エクィルツ(B)、ローベルト・ホル(B)


 アーノンクールもバロック音楽から古典派にかけて幅広く活躍しており、モーツァルトのオペラなども数多く録音している。1929年ベルリンの生まれで、もともとはチョロ奏者であったが古学と古楽器の研究を重ね、1953年にコンセントゥス・ムジクスを結成した。古楽器を学問の対象から一つの生きた演奏スタイルとして定着させるうえで大きな功績を残したとも評価されている。
 演奏そのものは小規模アンサンブルで、かなり軽快な感じを与えるものである。ソリストは宗教音楽の分野ではよく活躍している専門家である。合唱団は名前から見ると現代音楽を志向しているように見えるが、むしろ古い時代の作品を中心に取り組んでいる合唱団で1972年設立の、ウィーンの音楽学校卒業生を中心に構成されている。アーノンクールとは数多くの共演をしている。
 これも現代の優れた演奏の一つとして評価されるものだと思う。

8.アンドリュー・パロット指揮、タヴァナー・コンソート
 この指揮者と演奏団体はどちらかというとバッハよりも古い時代の音楽の演奏が多い。
 この演奏は声楽陣の構成はリフキンのものに近く、各パート一人で歌っている部分がかなり多い。ただ、リフキンのように終始一貫して各パート一人というわけではなく、オーケストラがフルに入ってくるような部分では複数で歌っている。

9.ジョン・リオット・ガーディナー指揮、モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
 ソリストは合唱団員が交代で歌っている。これはバッハ時代の方式を踏襲したもの。
 合唱団、オーケストラとも30人程度で、バッハ時代の方式を踏襲しようとしているが合唱の女声部はボーイソプラノではなく、ソプラノが軽い声を持つ成人女性、アルトを男性が歌っている。これは、バッハの時代は変声期が遅く、ボーイソプラノでも現代の少年合唱団のボーイソプラノより年齢は上で、人生経験の差が表現力の差に現れるという指揮者の考えによっている。
 また楽器はオリジナル楽器を使っており、全般にテンポの速い演奏である。CDの解説書に指揮者自身の文章が載っているが、それによると「バッハは決して重苦しくも、尊大でも、神聖ぶってもいなかった。自らの神を讃美するときバッハは、天使を呼び出して歌わせ、舞わせ、ベルを鳴らし、また人をして軽業的な対位法やコロラトゥーラで、彼の感謝の念を表明させるのである。」また、テンポに関しては、オリジナル楽器がモダン楽器よりも音の減衰が迅速であるため、軽やかなテンポを指向するとしている。
 ガーディナーも他にもバッハの宗教曲の録音を多数行っており、大曲が一通り終わって、現在カンタータを連続的にリリースしている。レコード会社の系列から言えば、早世したカール・リヒターの後継者である。

10.ミシェル・コルボ指揮、ローザンヌ声楽器楽アンサンブル
ラシェル・ヤカール(S)、ジェファニー・スミス(S)、ビルギット・フィレニ(A)、
アントニー・ロルフ=ジョンソン(T)、
ジョゼ・ファン・ダム(B)、フィリップ・フッテンロッハー(B)


 コルボはスイスの指揮者で、バロック音楽から古典派を中心に数多くの声楽曲を取り上げ、CDも多数が発売されている。合唱団とオーケストラは指揮者自らが育てたもので、手兵といえる団体である。合唱団やオーケストラの規模はデータの記載が無く判らないが比較的小規模である。オリジナル楽器を用いた演奏としては比較的テンポが遅いのが目立っている。
 この録音は2度目にあたるもので、ソリストは声楽専門家で、他にも宗教音楽でよく活躍している顔ぶれも見える。

11.小澤征爾、斎藤記念オーケストラ、東京オペラシンガーズ
バーバラ・ボニー(S)、アンゲリカ・キルヒシュラーガー(MS)、
ジョン・マーク・エインズリー(T)、アラステア・マイルズ(B)


 小澤征爾が最近毎年夏に松本で開催している斎藤記念オーケストラの2000年の演奏のライブ録音。合唱は1992年に小澤征爾が《さまよえるオランダ人》(ワーグナー)の公演を契機に、ソリスト級を集めて結成された合唱団で、この演奏ではS:12名、A:11名、T:8名、B:8名の合計39名。オーケストラはその名の通り桐朋学園で育ったメンバー39名であり、その中にはヴァイオリンの潮田益子、ヴィオラの今井信子、オーボエの宮本文昭といったソリストとしても大活躍している人も含まれており、ソロがある曲では当然それぞれ活躍している。
 全般的に言ってテンポの速い演奏で、合唱もオペラのソリスト級と聞いて想像するような張った声ではなくむしろノンビブラートの透明感のある演奏をしている。ただ、主観ではあるが、アーティキュレーションに少々わざとらしいところがある気がする。

12.その他
 筆者の購入したCDは以上のようなところであるが、他にも巨匠といわれる指揮者のものとしてはヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロ・マリア・ジュリーニ等のCDが出ており、オリジナル楽器の系統ではグスタフ・レオンハルト、トン・コープマン等が出ている。
 日本人では、小沢征爾の他には、何度か名前を出した鈴木雅明がバッハコレギウムジャパンを指揮したものが店頭で見かけられる。
 まったくの個人的な好みを書かせてもらうと、上で挙げた10種類の演奏からどれを推すかと訊かれたら、一つは古い録音で合唱のレベルは今の水準では色々批判があるものではあるが、カール・リヒターの指揮したミュンヘンバッハ合唱団のもの、もう一つ最近の録音ではガーディナー指揮のモンテヴェルディ合唱団のものを挙げたい。前者は客観的な理由もあるが、筆者自身がバッハの音楽にのめり込み始めた最初に聞いたものでその時期が青春時代であったということが大きい。後者はたかだか10年ほど前に聞いたものであるが、こちらは合唱団のレベルの高さ、全体的なテンポ感、歯切れのよさというまったく主観的な好みからの選定である。

13.データ比較
 演奏を客観的に比較するものはないかと考えた結果、理科系人間のいたずらとも言えるが、一番単純に演奏時間で比較してみることとした。
 上で紹介した11種類の演奏を曲目ごとに整理したのが以下の表である。
バッハ ロ短調ミサ曲 演奏時間比較(分:秒)
  リヒター
初回録音
ブリュッヘン リフキン ガーディナー アーノンクール コルボ クレンペラー ヘレヴェッヘ タヴァナー リリング 小澤征爾 最長
――
最短
1 Kyrie eleioson
(Coro)
12:15 8:53 9:35 9:29 10:31 11:01 13:40 9:29 9:08 12:31 9:33 1.54
2 Christe eleison
(Duetto:S/A)
5:48 5:08 4:39 4:52 5:16 5:15 6:03 5:37 4:47 5:53 5:03 1.30
3 Kyrie eleioson
(Coro)
3:51 3:50 3:36 3:30 2:56 4:16 4:18 3:29 3:14 4:15 3:12 1.47
 
4 Gloria in excelsis Deo
(Coro)
2:01 1:40 1:47 1:43 1:57 1:59 2:12 1:44 1:44 1:45 1:40 1.32
5 Et in terra pax
(Coro)
4:48 4:56 4:17 4:01 4:41 4:41 5:29 4:47 3:58 4:29 4:18 1.38
6 Laudamus te
(Aria:A)
4:31 4:23 4:10 3:53 4:07 4:52 5:22 4:26 4:10 4:56 4:10 1.38
7 Gratias agimus tibi
(Coro)
3:27 3:02 2:55 3:01 2:37 3:27 3:14 2:40 2:57 3:02 2:48 1.32
8 Domine Deus
(Duett:S/T)
6:36 5:44 5:11 5:18 5:56 5:50 6:33 5:44 5:09 6:44 5:15 1.39
9 Qui tollis peccata mundi
(Coro)
4:02 2:59 2:52 3:19 3:02 4:06 3:30 3:06 2:37 3:49 3:26 1.57
10 Qui sedes ad dexteram Patris
(Aria:A)
4:27 4:32 4:20 4:24 4:48 5:37 6:18 4:43 4:32 6:39 4:31 1.53
11 Quaniam tu solus santus
(Aria:B)
5:52 4:13 5:22 4:24 5:15 5:55 5:50 4:29 4:32 5:48 4:04 1.42
12 Cum Sancto Spiritu
(Coro)
4:12 3:51 3:55 3:48 4:18 4:06 4:55 4:01 3:52 4:12 3:47 1.29
 
13 Credo in umum Deum
(Coro)
2:40 2:00 2:00 1:55 1:53 2:08 2:25 1:56 1:53 2:44 2:00 1.45
14 Credo in umum Deum, Patrem omnipotentem
(Coro)
2:09 1:44 2:04 1:53 2:06 2:22 2:09 1:51 1:55 2:18 1:50 1.37
15 Et in unum Dominum
(Duett:S/A)
5:26 4:28 4:23 4:11 5:06 5:05 5:37 4:44 4:21 5:50 4:05 1.39
16 Et incarnatus est
(Coro)
3:40 3:05 2:29 3:25 2:59 4:05 3:24 3:13 3:02 3:57 3:15 1.64
17 Crucifixus
(Coro)
3:04 2:58 3:20 3:07 3:33 4:44 4:52 3:02 3:20 4:02 2:52 1.64
18 Et resurrexit
(Coro)
4:27 3:41 3:53 3:47 4:27 4:20 5:00 4:03 4:02 4:16 3:51 1.36
19 Et in Spiritum Sanctum
(Aria:B)
5:37 5:06 5:43 5:29 5:13 6:10 7:01 4:48 5:55 6:21 4:39 1.46
20 Confiteor unum Baptisma
(Coro)
5:06 4:31 4:33 4:04 3:55 4:55 6:22 3:54 3:53 6:01 3:57 1.55
21 Et exspecto resurerectionem
(Coro)
2:14 2:17 2:13 2:02 2:21 2:23 2:48 2:15 2:15 2:18 2:02 1.38
 
22 Sanctus
(Coro)
5:47 4:11 4:27 5:24 4:22 4:48 6:12 5:08 5:16 5:38 5:01 1.48
23 Osanna in excelsis
(Coro)
2:55 2:23 2:43 2:35 2:37 3:06 3:20 2:38 2:47 2:50 2:31 1.40
 
24 Benedictus, qui venit
(Aria:T)
4:55 3:59 4:13 4:48 3:55 4:55 5:39 4:04 3:25 5:50 3:54 1.71
25 Osanna in excelsis
(Coro)
2:55 2:25 2:43 2:35 2:21 2:23 3:24 2:38 2:49 2:57 2:29 1.45
 
26 Agnus Dei
(Aria:A)
6:36 5:06 4:56 5:46 5:15 6:09 6:30 6:29 4:31 6:49 4:47 1.51
27 Dona nobis pacem
(Coro)
3:24 2:57 3:06 3:20 2:52 3:49 3:26 2:49 3:01 3:45 3:03 1.36
合計時間 123分
03秒
104分
35秒
106分
13秒
105分
56秒
109分
05秒
123分
14秒
135分
40秒
107分
27秒
103分
30秒
129分
39秒
102分
03秒
録音日付 1961年
2月&4月
1989年
3月
1982年
1月
1885年
2月
1986年 1979年
10月
1967年
10&11月
1998年 1985年   2000年
8&9月
 
:この曲で演奏時間が最短の演奏
 
:この曲で演奏時間が最長の演奏

 CDの解説書に書いてある時間と、CDレコーダーやパソコンで表示される時間には多少差があったり、録音によって曲の区切りが違ったために筆者が測定したものなどが混じっているので完全に同じ条件での比較ではないが一応の比較にはなると思う。
 表には27曲のそれぞれの演奏時間を記し、最も短い演奏と最も長い演奏をマーキングしている。最後にその最も短い演奏に対して最も長い演奏の演奏時間が何倍になっているかの比率を計算してみた。
 全曲演奏時間の最長はクレンペラーの133分33秒、最短が小沢の102分3秒で30分以上の開きがある。筆者の好みで比較的小編成のオリジナル楽器系のものが多いので、演奏時間も短めになっているとおもったが、小澤はまあ中規模の編成のモダン楽器の演奏であり、時代のなせる業かもしれない。
曲毎にみて誰の演奏が短いか長いかを見てみると、演奏時間が短い、即ちテンポが速い方は結構ばらついており、小澤、ブリュッヘン、リフキン、ガーディナー、タヴァナー等7人の演奏に散らばっているが、小澤とタヴァナーがそれぞれ27曲中7曲を占めている。演奏時間が長い、即ち演奏時間が長い方は、クレンペラーがほぼ半数を占めており、残りはリヒター、コルボ、リリングの3人で占めている。
 曲毎の比較でみると、最も短い演奏と最も長い演奏の比率をでは面白い傾向があり、テンポの速い曲よりもテンポの遅い曲の方が最長と最短の開きが大きい。‘Benedictus’で約1.7倍の開きがあり、合唱曲の‘Et incarnatus est’、‘Crucifixus’で1.6倍以上の開きがある。

 さて、五味建氏指揮、アンサンブル・ヴォーチェの演奏は?
(Bass 百々 隆)

バッハ研究
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